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Studio A.D.S.

おススメのマンガや好きなバンド、美味しいものから役立ちそうなことまで発信していきます。

熱い信念のぶつかり合い!火ノ丸相撲、王道スポーツものとして読みやすいから是非読もう!(ダイマ)

 

 

「月曜日が始まる」

まるで絶望の訪れのように、インターネット上ではそんな言葉を見かけることがあります(今週は祝日だからそうでもなさそうですけど)

しかし私に言わせれば、労働で絶望するなら火曜日が一番ではないでしょうか。

そこそこ働き体は疲れ始め、なのにまだまだ終わりが見えない。それが火曜日。

 

一方月曜日には、以前記事にもした通り、無料で読めるキン肉マンがあります。

とはいえ今なおキン肉マンがやっていることを知らない人は案外多いみたいですし、「寝て起きたら辛くなり始めるので、寝る前に面白いものを読んでもしんどさの緩和に繋がらない。むしろ面白い時間泥棒のせいで余計にしんどいと言われたら返す言葉はありません。

実際私もキン肉マンのせいでいつも夜更かししてしまい、月曜の朝は地獄です。

キン肉マンだけでは月曜の強さを乗り越えることは出来ないと言われれば、なるほどうむです。

 

しかし、それを差し引いても月曜日には週刊少年ジャンプがいます。

長期連載が次々に終了してなお「面白い雑誌」と呼べるくらい、今のジャンプは面白い。

 

さすがにジャンプを知らない人はいないでしょう。

ですが、忙しい日々に流され、時間がないのでジャンプはワンピースくらいしか読んでないという人は意外と多いようです(筆者の職場調べ)

ONE PIECE 84 (ジャンプコミックス)

ONE PIECE 84 (ジャンプコミックス)

 

 この期に及んで島で唯一呑気こいてるヴィンスモーク家、逆にどんどん好きになっていくから困る。

 

ワンピースがいつまでも元少年の心をキャッチするように、他の現行連載陣だって負けじと元少年達の少年心を掴みに来ています。

僕のヒーローアカデミアハイキューブラッククローバーなど、新たなジャンプを担う作品が続々と出てきているのです。

なので今回は、その中から一作、とても読みやすく、そして少年心をガツンと掴んで離さない名作を紹介したいと思います!

 

そう、月曜日にたわわな胸を揺らし、半裸の未成年が肌と肌とをぶつけ合う、あの名作。

火ノ丸相撲です!

 

火ノ丸相撲 1 (ジャンプコミックス)

火ノ丸相撲 1 (ジャンプコミックス)

 

 

 

火ノ丸相撲少年ジャンプに連載されている相撲漫画で、端的に言うと『相撲取りになれないくらい小さな少年が、横綱になる夢を叶えるべく、相撲部で実績を残すため部活に打ち込む物語』です。

王道ど真ん中の設定なんですね。

 

 これを聞いて「相撲かよお~、興味ねえなあ」と思った貴方!!

安心して下さい、僕もそう思ってましたよ!

 

火ノ丸相撲は相撲に打ち込むストーリーでありながら、相撲にさほど興味がなくても読みやすいよう様々な工夫がされています。

“めっちゃ強いキャラクターは隈取のようなオーラ的なモノを纏っているといった少年漫画的分かりやすさのみならず、細かな気配りによって、ストレスなく入り込めるようになっているのです。

その最たる例に、相撲という競技への接し方に正解を設けていないというものが挙げられます。

 

どうしてもスポーツもの、特に真剣に部活動に打ち込み夢を追いかけるタイプの作品では、競技に対する姿勢の是非が描写されてしまいがちです。

例えば、『楽しむのが大事』やら『真剣に命を燃やすからこそ素晴らしい』やら、それこそ『正々堂々と戦う』『勝つことが全て!』といったものまで、色々な主張がスポーツ作品では展開されます。

そして大半は、“主人公ないし主人公チームのスタンス”として、それが正しく尊いものとして描かれます。

勿論それは悪いことなんかではなく、作品に一貫したテーマを持たせるためにもあって然るべきだと思います。

作中で“善”とされる価値基準を用意することで、それに反する敵キャラクターを作り分かりやすい対立構造を生み出せたりと、メリットも多いですしね。

 

しかし火ノ丸相撲では、その競技への接し方について、何を良しとするのか明確にしていません。

主人公こそ相撲に全てを捧げる相撲馬鹿ですが、チーム全員がそうかというとそうではなく、相撲部へ嫌がらせしていた過去の贖罪の意味が強いキャラや、総合格闘技の頂点を取るためのステップとして相撲をしているキャラもいます。

しかしそれらの感情を、決して周囲が否定したりせず、また主人公のひたむきさと比較することもないため、「ああ、この体育会系のノリ、ついていけない」となりにくくなっているんですね。

 

とはいえ、どのキャラも信念を持っていないわけではありません。

内面を掘り下げるうえで、そのスポーツへの関わり方や情熱の表現の仕方なんかは、スポーツものでは外せないファクターでしょう。

当然“キャラクター同士の信念”がぶつかり合うことは多々ありますし、“キャラクター同士の戦い”にはきっちりと決着がつきますが、しかし決して“思想の正しい方がノリと演出で勝つ”ということはありません。

スポーツやる動機なんて人によって異なるし、そこに絶対的な優劣なんてないのです。

 

例えば主人公の潮火ノ丸は、身長という壁に阻まれ、勝利から遠のいていました。

しかしそんな中足掻き続け、横綱という夢を叶えるため、死に物狂いで努力しています。

だから、初期ライバルである沙田というキャラクターが「今まで敵がいなかったけど、今ようやく全力が出せて嬉しい!楽しい!君もそうだろう!?」みたいなノリでスポーツ者特有のテレパシー会話を試みてきたのですが、火ノ丸くんは何とこれをガン拒否。

鬼の形相で「何を笑っていやがる」と切って捨てます。

火ノ丸が、誰より勝利に飢えており、笑うのは勝って土俵を降りてからという信念を持っていたからです。

 

かといって、火ノ丸相撲「ストイックに鬼の形相で勝利を掴みにいく姿勢が正しい。他の姿勢より上」というスタンスというわけではありません。

信念というような信念がなかったため沙田くんこそ敗戦を機に「なるほど確かに笑えねェよ……!」というスタンスになりましたが、後にラスボスのような格の天王寺というキャラクターが登場し、笑顔で戦う強さを見せてくれます。

 曰く、「相撲の頂点に立つべき男が、楽しそうに相撲をしなくてどうする」とのこと。

なるほどこれは一理あります。

しかし、火ノ丸の「必死に一勝を掴みに行く人間がヘラヘラ笑っていられるかよ」というスタイルにも一理あります。

どちらかが正しくどちらかが間違っているというわけではないですし、きっとどちらにも理があるのでしょう。

そして、双方その理を貫き通す姿が最高に格好良いのです。

 

鬼の形相で相撲を取る火ノ丸を「辛そうで見ていられない」と評していた天王寺さんも、最後には火ノ丸の執念を認めその姿を「格好いいやんけ」と述べました。

かつて笑って相撲を取る相手を「何笑っていやがる」と切って捨てた火ノ丸も、最後にはどれだけ追い込まれどんな状況に陥ってもなお笑ってみせる天王寺「こんな時でもアンタは――笑うんじゃな」と、敬意の念を抱きました。

 それは信念を貫いた好敵手への賞賛であり、相手の主張の理を認める行為です。

でも、だからといって、二人とも己の信念を変えたわけでも相手の理に己の理が敗れたと思っているわけでもありません。

だってそもそも比較するようなものじゃあないんですから。

自分と異なる意見とその強さを認め、受け入れ、そのうえで自分の信じる道をひた走っているのです。

 

こういう信念に優劣をつけない点が、キャラクターの魅力に繋がっているのかもしれませんね。

誰の信念も貶められることなく、それでいて譲れぬ想いを賭けて本気でぶつかり合う。

だからこそ純粋にぶつかり合いを楽しめる(負けた側の信念が不当に貶められる心配がないため)し、個性的なキャラクター達にも一人一人“深み”があり、世界観もグッと広がっているのでしょう。

二次元の世界にだって、僕らの世界と一緒で様々な思想の人がいますし、みんなが右に習えだと、どうしても何か違和感覚えてしまいますしね。

そういうバランス感覚というか、色々なスタンスを認めきちんとどれも魅力的に描写しているところも、火ノ丸相撲の魅力だと言えるでしょう。

 

……本当なら、その魅力の代表格として、先述した総合格闘技の頂点を目指している男関係の話もしたかったのですが、如何せんまだ単行本未収録の部分が関わってきてしまうのですよ。

ですので、今回の語り(もう紹介でも何でもなく、上手く言語化できそうにない火ノ丸相撲の魅力をダラダラと何とか文字にしただけの語りだこれ)はこれにて切り上げたく思います。

それこそ「オタクこそ火ノ丸相撲を読め!」と言いたく成るくらい、『好きなものへの打ち込み方のスタンスの違い』を肯定し、それぞれの立場を魅力的に描いてますので、実際にご覧頂くのがいでしょうしね!

火ノ丸相撲、絵でも魅せてくれるので、是非とも読んでみて下さい!!

 

火ノ丸相撲」と「火ノ丸読もう」を引っ掛けて〆ようとしましたが、言うほど引っかかってねえなと我に返ったのでやめました。

  

火ノ丸相撲 13 (ジャンプコミックス)

火ノ丸相撲 13 (ジャンプコミックス)

 

 

火ノ丸相撲 14 (ジャンプコミックス)

火ノ丸相撲 14 (ジャンプコミックス)