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Studio A.D.S.

おススメのマンガや好きなバンド、美味しいものから役立ちそうなことまで発信していきます。

悪魔にだって友情はあるんだー! キン肉マンの新シリーズ、悪魔超人が最高に熱い!

はい、どうもこんばんは椎名ロビンです。

女房を質に入れてでも毎週読まざるを得ないキン肉マンの新シリーズ(以下、『新肉』と略す)ですが、とうとう次回更新でシリーズ最終回であることが発表されました。

 

深くは語りませんが(いや多分語る。今度また別記事とかで)最高に盛り上がったまま駆け抜けたと思います。

そんな盛り上がりを支えたのは、旧キン肉マンで、そしてキン肉マン二世悪役サイドであった悪魔超人達であると言っても過言ではないでしょう。

今回は、前回(ほー、なんだそのオモシロ新展開は? 今なお連載中のキン肉マンが最高に面白い! - Studio A.D.S.)語りきれなかった悪魔超人という名の新肉の魅力を、取り上げたいと思います。

 

キン肉マン 47 (ジャンプコミックス)

 

一応、ネタバレがっつりしているのでご注意をば。

 

 

そんなわけで前回もちらりと触れましたが、今回のシリーズでは、敵サイドを中心にストーリーが組まれています。 

ラスボスであるストロング・ザ・武道その弟子達がストーリーラインを作っており旧シリーズにおける指折りの強敵であった悪魔将軍がその弟子の一人として登場します。

故に自然と、悪魔超人達にもピントが当たってくるんですね。

そんな悪魔超人を中心に、新シリーズを頭からおさらいしたいと思います。

 

 

【新肉の魅力⑤ 予想外の援軍メンツと出し惜しみのない試合展開】

テリーマンのテキサスブロンコ溢れる試合で幕を開けた新シリーズ。

負けた部下を粛清せず掟に従い自害する様を見届け敬意を払うことで敵の株をあげつつ、突然脈絡なく敵がマシンガンになり世界各国にリングを出現させ、そのリングにつながるワームホールをマシンガンでこじあけてワープした後、モニターで同時中継されるリングで正義超人の迎撃態勢を取るというお馴染みの展開に突入します。

キン肉マン慣れしてない人間は「何を言っているのか分からない」となってしまうと思いますが、文字にしているこっちもよく分からなくなってきているので、きっとそういうものです。

実際に絵面で見れば特に引っかかりもせず、マシンガンになって同時中継されるリングで正義超人を迎撃しようとする展開を読めるのも、キン肉マンの凄い所なのです。

 

この同時中継バトルは、かつて悪魔超人初登場時に悪魔超人達が取った手法でもあります。

あの時は、それまでリングの上でライバルとして競い合ってきた正義超人達が援軍に来るという「お前ばかりにいい格好させられないぜ!」展開の元祖というべき流れを取っていました。

そして今回、正義超人達は傷ついた体を癒やすために前線にすぐには来ることが出来ずテリーマンのみが戦っていたわけですが、キン肉マンが駆けつけて、バッファローマンも復活したのを読者は見ています。

いつものようにアイドル超人(ざっくり未読者に説明すると、正義超人のレギュラーキャラはこの括りで扱われています)がそれぞれの国に現れたリングで戦うのかな、と思ってしまうのも無理ないでしょう。

実際に、待ち受ける敵・無量大数軍もそのつもりだったらしく、現れた対戦相手(フード付きのコートを着ていて一見誰だか分からない)に攻撃を加える際、各々が国のアイドル超人を想定しているかのような発言が見受けられました。

 にも関わらず、迎撃を躱し、フードを取って現れたのは、ステカセキングだったのです。

 

こんなの、読者の誰もが予想できませんでしたからね。

そりゃあ、多少変化球の援軍が来るかもと思わなくはありませんでしたよ。

悪魔超人から援軍が来る可能性だって想定できました。

でも、普通は人気と実力を兼ね揃えた悪魔超人がやってくると思うじゃないですか。

ステカセキングなんて、悪魔超人で真っ先にやられる、いわば「一番の小者」ポジションですからね。

 トップバッターから予想外のキャラクターが現れ、それに続いてその仲間達――七人の悪魔超人がやってくるわけです。

キン肉マンが戦った悪魔超人の中では、最も小者と言えるような集団であるはずの、七人の悪魔超人が、です。

ワンピースで言うなら、最悪の世代とかクロコダイルとかを差し置いて、鉄壁のパールさんが敵幹部相手に援軍に来るみたいなもんですからね。

そら援軍に来るだけでテンションが上がるし、その試合内容への注目度も高まります。

 

勿論、決して出落ちなんかではなく、試合内容も最高なんですよ。

例えばステカセキングは能力コピー超人なんですが、ちゃんと彼が旧シリーズで退場した後に出てきた強豪の技をコピーしまくるんですね。

僕達キン肉マンオタクが酒を飲みながら「ステカセキングはボスキャラもコピーできるんだから、インフレ後に試合をしてインフレ後のキャラの技をコピーして戦えばいい線いくって!」と散々した与太話を、真正面から描いてくれているのだから、そりゃあ面白いに決まってます。

ペンタゴンって、クロノスチェンジ使いこなせればめっちゃ強いんじゃね?」など、休み時間にキン肉マンの超人談義で盛り上がった元少年なら、胸が熱くなること間違い無しなのですよ!

読者が見たいけど実際描くには大変そうな内容でも真正面から描き切ってくる今のゆでたまご先生、あまりにもストロングスタイルですよ!

 

勿論全員が全員健闘出来るわけじゃあないんですが、惨敗担当もチョップで自分の脳天殴ったり等のオモシロムーブで魅せてくれたりと、全試合面白い。

しかも七人の悪魔超人の試合は早いキャラだと1試合1~2話で終わるため、テンポがよくて面白いだけでなく、肌に合わない試合があってもサクサク次の試合に行けるから非常にストレスフリーなのです。

「今更こいつらが勝ち星上げられるの?」となる対戦カードばかりで先が読めないうえに、元祖・敵が味方になってそれなりに白星と黒星がつく作品だけあって、そんな状況でも白星を上げるキャラもいます。

二度と試合する姿なんて描かれないと思っていた連中が、そんな勝敗の読めない試合を繰り広げる――心の中の“小学生”たるものにとって、これほどの魅力はありませんよ!

 

 

【新肉の魅力⑥ 援軍は必ずしも正義超人入りするわけではない】

そんな援軍・悪魔超人なのですが、今回のいい所は、味方サイドとしてリングに上がろうと、決して正義超人入りしたわけではないという所なんですね。

これまでキン肉マンの助けをしてくれた超人は、皆そのまま正義超人入りしてきました。

それこそ前回も語りましたが、アシュラマンなんて、タッグのペアであるサンシャインの「悪魔にだって友情はあるんだー!」という名シーンに感化され涙を流していたというのに、感化されすぎて友情パワーに目覚めたからかそのままサンシャインを捨てて正義サイドに来てしまいましたからね……

アシュラマンは好きだけど、それはそれとしてサンシャインが可哀想すぎる……

 

これは今まで『主人公サイドは絶対正義』『対立する相手は絶対悪』という少年漫画特有の勧善懲悪をベースにしていたためだと思われます。

決着後に和解することこそあれど、基本的にリングの上で戦っている間対戦相手は“悪いヤツ”として描写され続けます。

特に二世タッグだとコレが顕著で、新旧正義超人対決の際などは、相手側を敵として描写するためか、旧世代が悪役としか思えぬ言動を取っていました。

試合後には和解はしましたけども、それがどうにもガッカリだったように記憶しています。

また、“倒すべき敵”≒“倒されて然るべきカス”というような描写が多く、シリーズボスであろうと容赦なく小者のクズに成り下がる傾向にもあったように思えます。

 

勿論、勧善懲悪のヒーローものとしては、それでいいかもしれません。

ですがそれは、“格好いい敵キャラクター”がグッと減ってしまうことも意味しています。

魅力的な敵キャラクターが軒並み正義超人に転向したせいで、これまで敵サイドのまま魅力を維持していたのはマンモスマンくらいなものでした。

悪魔将軍ですらパイプ椅子ガンガンとかはぐれ悪魔超人コンビに見捨てられたりと醜態は晒しましたからね。

ウメーウメーマン? 知らない子ですね……

 

そんなわけで、前回も語ったように、敵が敵のまま魅力を維持することが少なかったキン肉マンにおいて、新肉では“魅力的なままヒールを続けるキャラクター”が沢山登場するようになりました。

そしてそれは、援軍である悪魔超人にも言えることです。

今回の援軍である悪魔超人達は、“正義超人とは異なった主義主張の元、共通の敵に立ち向かう第三勢力というスタンスなのです。

 

例えば、正義超人達は『戦いを経て分かり合う』ことを求めているため、『負ければ自害』の掟を持つ完璧超人無量大数軍を撃破した後は、自害を止めるべく説得をします。

一方で悪魔超人は、『この地上を支配するのはお前達完璧超人じゃねえ、俺達悪魔超人だ』というツンデレみたいな建前の元参戦しているわけですが、『負ければ自害』の掟を持つ完璧超人無量大数軍に対しては「敗者は勝者が蹂躙する!貴様らが勝手に自害することは許さん!」というスタンスを取っています。

そしてそれはツンデレでも何でもなく「勝手に自害することは許さん!だから自害前に俺がぶち殺してやるぜえ~~!!」と言わんばかりに倒した相手にトドメを刺すんですね。

てっきり「勘違いするな、俺達はお前達の味方じゃねえ」をただのツンデレと思っていた読者にとって、ブラックホールが上記の理由で敵の首を刎ね飛ばしたのは衝撃でしたよ……

あくまで彼らは悪魔超人。

そのヒール性を維持したまま味方サイドで暴れることが出来ているのも、“魅力的な敵”を描けるようになったからだと言えるでしょう。

 

そんな感じで、あくまで“共通の敵を前にした、一時的な同盟相手”として描かれた悪魔超人ですが、ヒーローのような活躍がないわけではありません。

今回のシリーズで敵を上手く魅せることに成功した理由の一つである、『各陣営のイデオロギーの対立を、安易に何が正しく何が悪いとはせずに、丁寧に描写している』というのがあるのですが、それもあって、各々の陣営が各々の陣営の掲げる“正しさ”を存分に見せてくれます。

そしてその信念を貫く姿勢は、どの陣営であろうと、最高に格好いいのです。

 

勿論、ただ正義超人達がやっていることを悪魔超人もやっているだけというわけではありません。

悪魔超人としてリングに立っているからこそ出来る、旧シリーズのオマージュ悪魔超人らしいヒール具合なども、試合を最高に盛り上げてくれます。

 

例えば、バッファローマンが正義超人に転向したためタッグを解消されたスプリングマが、バッファローマン大好き具合を発揮する試合があるんですよ。

正義超人ラーメンマンに“バッファローマンの相方の座”を取られて悔しかった心中を吐露し、『何をしてでも、どんな手段を選んでも、絶対に勝たなくてはならない』という悪魔超人のイデオロギーに従い、憎きラーメンマンバッファローマンのツープラトンであるロングホーントレインを出すんですね!

これはもう大興奮なのですが、この興奮も全てスプリングマンが“味方だけど悪魔超人”だったからこその話だと思います。

“裏切って主人公サイドに転向するくらいの魅力あふれるカリスマ”が多数存在するということは、彼らを取り巻くアウトローな仲間達として見れば、元々の組織もそれ相応に魅力が詰まっているのです。

元相棒への想いを抱える者や、敵サイドを鍛え上げてた教官と正義転向者じゃない劣等生との物語など、悪魔超人の面々にだって、見るべき所は随所にあるのです。

何せ、悪魔にだって友情はあるし、絆を感じるエピソードがあるのですから。

 

他にも「悪魔はただでは死なねえ!」と負けたあとで相手を道連れにしたり、使うことはプライドが許さない憎きライバルの必殺技を勝利のため繰り出したり、降参するような泣き落としからの騙し討ちを敢行したり、自分の力じゃ相手を撃破できないと悟るなり相手の能力を借りパクしたりと、誇り高き正義側じゃ基本的にやらないようなことをバンバン繰り出してくれるところも、悪魔超人達の魅力なのです。

ちゃんと悪魔超人時代にやってきた悪行を、味方サイドになっても平然とやってくれる。

そしてその泥臭い執念が格好良く、それで遥か格上相手に挑む姿に胸が熱くなるんですよ!

アトランティスが死んで涙する日が来るなんて、多分当時の少年一人として予想してなかったですからね!!

 

兎にも角にも、正義超人以外を魅力的に書くスキルが飛躍的に伸びた今のゆでたまご先生だからこそ描ける、名シリーズであると言えるでしょう。

 

 

【新肉の魅力⑦ やっぱり最高、僕らのヒーローキン肉マン!】

 ここまでさんざん悪魔超人の威力を、そして前回でも度々敵サイドである完璧超人の魅力を語ってきたんじゃないかと思います。

じゃあ正義超人に魅力はないのか?

そんなわけがありません。

そう、ゆでたまご先生は“悪魔超人や完璧超人を描くのが上手い”わけじゃあないんです。

“元々正義超人を描くのが上手いのに、更に悪魔超人達や完璧超人を悪魔超人のまま魅力的に描くようになった”のです。

 

開幕で「俺達の好きだったキン肉マンが今から穢されないかな」という不安を払拭したテリーマンのテキサスブロンコ然り!

迷走期をなかったことにはせず真正面から掘り下げたロビンマスク然り!

まあさすがにウィーズマンのウスノロ野郎発言はスルーされたけども!

正義超人だって、超絶格好良く描かれているのですよ!!

 

それは我らがキン肉マンとて同じこと!

試合数こそ2試合と少ないですが、その2試合の内容は100点満点!

初戦でキン肉マンという超人の魅力”を凝縮した試合運びをし、また正義超人を代表して完璧超人無量大数軍の自害の掟の阻止に成功。

更に2戦目ではキン肉族の先祖であるネメシスを相手に、“正義超人の代表”として恥じない戦いをみせました。

 

キン肉マン 58 (ジャンプコミックス)

 

ネメシスの“完璧超人の将来を担う存在”であることといい、この対決は、“はじまりの二人”の戦いであるラストバウトに大きな影響を与えます。

 

そしてなにより、その終戦こそが、キン肉マンの魅力がつまったシーンなのです。

間もなく最終回が更新されるので詳細はまたにしようと思いますが、今のゆでたまご先生は、“リングに上がった両者共を魅せる”だけでなく、“リングに上がってない者まで魅せてくれる”のです。

そんなリングに上がらずキン肉マンが魅せてくれて『シリーズ最終回へ続く!』となったキン肉マン

もう数分で、その最終回がやってこようとしています(予約投稿なので、もう更新されてる時点ではきてますが)し、一端筆を置かせて頂きたいと思います。

5年続いた新肉の集大成、これは女房を質に入れてでも読まなくちゃあかんで!!!